突然、マルカ(神戸北野の小さな北欧markka)がレンコンの販売となると、なぜレンコン?北欧にレンコンってあるの?と思われた方もいるかもしれません。2020年まで10年以上、毎年買い付けで行っていた北欧。モノや食のことだけでなく、その向こうにある”北欧の友人たちの暮らし”から学ぶことがたくさんありました。そして、そんな暮らしに自然と憧れるようになっていました。
いちばんよく行っていたのはフィンランド。フィンランド人は、仕事と趣味の時間をバランスよく過ごしているように思います。ヘルシンキの街に住んでいる友人は、自宅とは別にコテージを持っています。車で1時間ほどの場所です。長い休暇や週末はコテージで過ごします。普段はパソコン仕事でも、コテージに行ってサウナに入ったり、畑に行って体を動かしたり。ぼくたちはこれまで、そんな暮らしをたくさん見てきました。
たむら農園は姫路にあります。神戸からは車で1時間ほどの場所。ぼくたちは毎月レンコンの収穫のお手伝いをしていますが、コテージに行くフィンランド人になった気分で過ごしているんです。レンコン掘りのお手伝いは、腰まである長靴を履いて、冷たい泥の中に入ります。ホースを使ってレンコンに水をあてて、傷つけないように手探りで探していく。大変な作業ですが、夢中になる時間です。それはまるでフィンランドでのベリー摘みのよう。レンコン掘りで冷えた体、帰ってきてからすぐに入るあたたかいお風呂は、そう!サウナそのものです。
コロナで北欧に買い付けに行けなくなり、ぼくたちの生活も一変しました。制限された生活の中で楽しめること、これからの暮らしについても見つめ直しました。レンコンの収穫をお手伝いしながら、みなさんにもおいしいレンコンをご紹介&販売できることは、北欧の人たちの、ほんとうに豊かな暮らしを見てきたぼくたちにとって、とても自然な流れからなのです。